寝たくない夜
寝たくない夜がある。眠れないのではなくて、寝たくない。
たぶん次の日が来てしまうのが嫌なのだろうなと思う。
寝支度を終えて、寝転んで、スマホで漫画を読んで、気づけば寝る時間で。
そのまま眠ることを少し惜しく思いつつも、翌日を始めるためのアラームをセットしてお気に入りのASMRを流しながら明かりを消す。それがいつものルーティーン。
でも時々どうしてもそれができない夜がある。
したいことなんて何も思い浮かばないのに、目を閉じるという単純な動作がひどく億劫で嫌なことに感じられる。
最低照度に下げてもなおちかちかとまぶしいままのスマホの光が真っ暗な部屋の一部を侵食して、侵食して、侵食して。
だんだんまとまらなくなってくる思考が「このまま朝まで起きてればいいんじゃあないの」なんて適当なことを考え出すころ、私はやっと寝落ちする。
嫌だなあと思う。次の日がものすごくしんどいし、後ろ向きな考えばかりが頭を占めて身動きが取れなくなる͡この感覚は、自分の首をゆっくりと絞めているみたいだから。
でもそれ以上に次の日が来ることが嫌なんだろうな。毎日少しずつ自分を嫌いになっていって、できなかったことを脳内で映画みたいに繰り返して、明日もこうなんだろうなあとふと思っては消えたくなる。
それでもやっていくしかない。重たいなあ・・・。